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律「秋山澪の秋」

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律「秋山澪の秋」
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:49:54.93 ID:GtkdVVSMP
  放課後、軽音部部室

唯「落ち葉が舞い散ってるよ」

紬「秋だものね」

唯「切ないね、なんだか」

紬「人恋しくなるわよね」

唯「ムーギちゃん♪」 きゅっ

紬「あらあら♪」




2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:50:46.86 ID:GtkdVVSMP
律「年中春だな、あいつは」

澪「でも詞を書くには良い時期だぞ。イメージが湧きやすい」

律「そんな物かね。私は食欲の秋ってイメージだけどな」

澪「それはそれでありだろ。私達の歌も、それにまつわる物が多いし」

律「だったら、お前を食べちゃうぞー」

澪「はいはい」

律「ちぇー。そこは、無理して乗れよな」

澪「全く」 くすっ




3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:51:39.54 ID:GtkdVVSMP
梓「済みません、遅れました」

唯「あずにゃん。すっかり秋が深まったね」

梓「急になんですか」

唯「舞い散る落ち葉に、漂う鰯雲に。私は秋を感じ取ってるんだよ」

梓「ああ。そういうのは、分かります。夏とは匂いが違うというか」

唯「あずにゃんはどんな匂い?」 くんかくんか

梓「意味が違います」

唯「でも良い匂いだよ」 にこっ

梓(いやいや。私よりも、唯先輩の方が♪) くんかくんか




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:52:30.67 ID:GtkdVVSMP
澪「秋、秋、秋。読書の秋、芸術の秋」

律「秋山澪の秋」

紬「ああ、なるほどっ」 ぽんっ

澪「いや。そんなに反応する事でも無いから」

梓「後はやっぱり食欲の秋ですか」

律「私達は年中って気もするけどな」

梓「それはあるかもです」

唯「ひらめいたっ」

梓(絶対曲や歌詞じゃないな)




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:53:21.13 ID:GtkdVVSMP
唯「秋と言えば、舞い散る落ち葉。落ち葉はその後どうなると思う?」

澪「業者が集めて、可燃ゴミとして燃やされるだろ」

紬「でも森の落ち葉は腐葉土になって、栄養になるのかしら」

律「たまに、澪の歌詞にもなるだろ」

梓「上手い事言いますね」

律、澪、紬「あはは」




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:54:14.21 ID:GtkdVVSMP
唯「全く。みんな、何も分かってないね」 ちっ、ちっ、ちっ

律「多分お前が一番分かってないだろうけど、一応聞くか。それで、何になるんだ?」

唯「落ち葉、秋、それは食欲の秋。となれば?」

紬「・・・焼き芋?」 

唯「そう。ベタだけど、一周回ってむしろ新鮮。良いアイディアでしょ」

澪「確かに、意外と否定しにくいな」

紬「私賛成。大賛成っ♪落ち葉で焼くなんて、すごい楽しそうじゃない?」 きらきら

律「まあ、それはそうだけどさ。昔町内会でやった時は、結構大変だったぞ」

梓「そもそも、落ち葉を集めないと話になりませんしね」

唯「それも込みでの、焼き芋大会だよ」

律「いつから大会になったんだよ、おい」




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:55:06.80 ID:GtkdVVSMP
唯「という訳で澪ちゃん、計画表をお願いします」

律「丸投げかよ、おい。・・・しゃーない。さわちゃんに、たき火をやって良いか聞いてくるよ」

紬「だったら、私も」

梓「では、私も一応」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:55:58.86 ID:GtkdVVSMP
   職員室

さわ子「落ち葉で焼き芋?最近は消防法で、そういうのはうるさいのよ」

紬「消防法、ですか」

さわ子「後は、環境問題がね。落ち葉を燃やすと、ダイオキシンが発生するんですって」

律「そ、それって猛毒なんじゃ。だったら、焼き芋やるのも命がけって事?」

紬「でも命を懸ける価値があるからこそ、唯ちゃんは焼き芋を提案したのかも知れないわよ」

律「くっ、唯の野郎。お前一人だけに、良い恰好をさせはしないぜっ」

さわ子「その芝居のオチは知らないけど、たき火くらいでは大丈夫なんですって」

律「あ、そうっすか」

紬「うふふ」

さわ子「許可は取っておくから、火の始末にだけは気を付けてね」

梓(わずかにもついて行けなかったな、今の会話には)




9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:56:53.10 ID:GtkdVVSMP
   軽音部部室

澪「必要な物は着火剤とバケツ。後は落ち葉。それとサツマイモか」

唯「ヨーロッパだと、秋にジャガイモを焼くんだって」

澪「ジャガイモか。それも良いな」

唯「たき火って良いよね。温かくて、ほんわかしてて」

澪「確かに雰囲気が良いな。なんだか、子供の頃を思い出す」

唯「澪ちゃんは、どんな子供だったの?」

澪「本ばかり読んでて、引っ込み思案で。あまり今と変わってないかな」

唯「そかな」

澪「・・・変わったとしたら、律に出会ったからかも知れない」

唯「りっちゃんに?」




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:57:46.17 ID:GtkdVVSMP
澪「あいつには色々迷惑を掛けられてるけど、それよりも沢山助けてもらってる。
  律に出会ってなければ、私は今でも部屋にこもって本を読んでるはずだ」

唯「大丈夫だよ。その時は私とムギちゃんとあずにゃんが、りっちゃんと一緒に迎えに行くから」

澪「どうやって私の家まで来るんだよ」 

唯「そこは、軽音部としての絆を頼ってだよ」

澪「多分その時点では、軽音部じゃないぞ」

唯「たはは。そか、そか」

澪「全く」 くすっ




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:58:38.21 ID:GtkdVVSMP
   廊下

梓「律先輩って、澪先輩と小学校の頃から友達なんですよね」

律「何だ、急に」

梓「いや。私達とはちょっと付き合いの深さが違うと思って」

律「元々、私が一方的に澪へまとわりついてたからな。それが今に至る訳さ」

紬「でも良いわよね。何の気兼ねもなく、心から付き合える関係って」

律「私はムギとも梓とも、唯とも。みんなと心から付き合ってるよ」

紬「りっちゃん♪」

梓(うわ、輝いてる♪おでこ、輝いてる♪)




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 15:59:37.31 ID:GtkdVVSMP
   軽音部部室

律「おーい、戻ったぞー」

澪「お帰り。どうだった?」

律「たき火くらいなら構わないってさ。こっちはどうだ?」

澪「必要な道具と手順を書き出した。後は生徒会で、道具を借りて来ないと」

律「おし。行ってくる」


梓「妙に息が合ってますね」

唯「夫婦みたいだね」

紬「うふふ♪」





13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:00:16.69 ID:uxhi6UWtO
かわいい




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:00:28.88 ID:GtkdVVSMP
   生徒会室

和「・・・たき火?あなた達、一体何部なの?」

唯「まあまあ。和ちゃんも好きでしょ、焼き芋」

和「嫌いじゃないけど。大体たき火ってどうなのよ」

唯「私は燃える女だよ」

和「初めて聞いたわ、そんな話」


梓「こっちはこっちで、絶妙に噛み合ってますね」

律「夫婦というか、親子だな」

紬「うふふ♪」




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:01:20.67 ID:GtkdVVSMP
   正門前、街路樹

唯「よーし、やるぞー」

紬「おー」
 
律「妙にやる気だな。それに、どのくらい集めれば良いんだ?」

唯「多ければ多い程良いって」

澪「そんなに落ちてないぞ、ここ」

梓「というか、ちょっと寒いですね」

唯「何言ってるの、あずにゃん。私達は、たき火のように燃え上がるんだよ」

律「随分ささやかだな、おい」




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:02:19.11 ID:GtkdVVSMP
   30分後

梓「それ程集まりませんね」

澪「元々木が少ないし、風で飛ばされるからな」

律「根本的に失敗って事か」

唯「う」

澪「・・・それか、他の場所を探すかだ」

律「という訳なんだが、どうする」

唯「良いの?」 おずおず

澪「当たり前だろ」 撫で撫で

唯「澪ちゃーん♪」

律「全く」 くすっ




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:03:11.54 ID:GtkdVVSMP
澪「公園もそれ程落ちているイメージはないし」

律「そう考えると結構難しいな」

紬「・・・あそこ。ほら、この前のマラソン大会で走った坂の」

澪「ああ、確かに林があったな」

紬「あそこなら、すぐに集められると思うの」

律「グッドアイディアだ。唯、それで良いか」

唯「ありがとー、みんなありがとー」

梓(なんだかんだと言って、みんな優しいな) 




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:04:35.70 ID:GtkdVVSMP
   夕方 街外れの林

唯「おお。ここはまさにエルドラドッ」

律「いや。落ち葉が落ちてるだけだし」

澪「でも夕日を浴びて、黄金色に輝いて見えなくもないぞ」

律「詩人だな、おい。ただ今日は遅いし、集めるのは明日にしようぜ」

紬「でも明日、お休みよ」

唯「だったら、朝から集まろうよ。ね」 にこっ

梓(この笑顔を見せられて、断れる訳がない) にこっ





19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:05:27.05 ID:GtkdVVSMP

   夜 平沢家リビング

唯「・・・という訳で、明日は落ち葉狩りを行います」

憂「そうやって言うと、風情があるね」

唯「憂も一緒に集めようよ。大勢で食べる焼き芋は、ものすごく美味しいよ」

憂「ありがとう。でも明日は、純ちゃんと用事があるの」

唯「そか、残念だな。・・・明日、晴れるかな」

憂「お姉ちゃんが楽しみにしてるのなら、絶対良い天気になるよ。・・・今から、てるてる坊主作ろうか?」

唯「分かった。頑張ろうね、憂♪」

憂「お姉ちゃん♪」




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:07:01.80 ID:GtkdVVSMP
 翌朝 街外れの林

律「だからてるてる坊主を、首からぶら下げてる訳か」

唯「お陰で良い天気だよ」 

律「つくづく幸せな姉妹だな」

澪「風も気持ちいいし、空は高いし。あー」

紬「何もしてないのに、幸せな気分になれるわね」

澪「ああ。たまにはこういう時の過ごし方も良いな」




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:07:52.25 ID:GtkdVVSMP
唯「まったりムードはここまでっ。頑張って、落ち葉を集めようっ」

梓「焼き芋も待ってますしね」

唯「その通り。みんなで落ち葉を集めて、みんなでたき火を囲んで、みんなで焼き芋を食べる。
  こんな幸せな事は、もう二度とないかも知れないよ」

梓「唯先輩は大げさなんですよ。でも澪先輩が言ったように、秋の空気は良いですね」

唯「良いよねー、秋は。小さな秋はどこに隠れてるのかな。この木の皮の裏側かなー?」

梓「・・・そういう所は、絶対見ない方が良いですよ」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:08:44.03 ID:GtkdVVSMP
唯「あ、松ぼっくり」

紬「しみじみ、秋ねー」

唯「これに火が付いたら大変だね」

澪「それは焼けぼっくいだろ」

紬「だったら、松ぼっくりに火を点けても大丈夫?」

梓「乾燥してたら大丈夫らしいです」

紬「してなかったら?」

梓「大惨事になると思います」

紬「焼けぼっくいと同じね♪」 にこっ

梓(何故、笑顔)




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:09:41.38 ID:GtkdVVSMP
唯「わっせ、わっせ」

紬「よいしょ、よいしょ」


律「張り切ってるな、あいつら」

澪「見てないで、律も早く集めろ」

律「へいへい。・・・これって一人で入れるより、袋を広げる係と詰める係に分担した方が良くないか」

澪「なるほど」 かぱっ

律「よいしょ、よいしょ。・・・・そこは、「わっせ、わっせ」だろ」

澪「・・・わっせ、わっせ」

律「あははー。よいしょ、よいしょ♪」

澪「全く。わっせ、わっせ♪」

梓(見てらんないな、これは) かー




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:10:36.95 ID:GtkdVVSMP
唯「わっせ、わっせ」

紬「唯ちゃん、こっちに落ち葉が飛んで来てるー」

唯「ムギちゃんの落ち葉も飛んで来てるよ」

紬「えーい♪」

唯「えーい♪」

梓(こっちはこっちで満喫してるな)




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:11:31.63 ID:GtkdVVSMP
唯「ふー。結構集まったね」

梓「唯先輩、頭に落ち葉が付いてますよ。ムギ先輩も」 ちょいちょい

唯「あずにゃん、ありがとー」

梓「二人とも、はしゃぎ過ぎです」

紬「梓ちゃんの頭にも付いてるわよ」 そっ

梓「あ。ど、どうもです」 かー

唯「あずにゃんも紅葉してるね」 にこっ

梓「もう、唯先輩は」 くすっ




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:12:41.33 ID:GtkdVVSMP
   桜が丘高校 正門

唯「とーちゃーく」

律「やっと着いたか」

梓「袋を背負いながらでしたからね」

澪「私は強烈に恥ずかしかったぞ」

紬「でも、なんだか楽しかったじゃない。サンタさんみたいで」

律「前向きな奴め。今時サンタでも、プレゼントはネット通販だぞ」

唯「そかな?私の家は、いつも起きた時に枕元へ置いてあるよ」

梓(ういーっ)




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:13:35.02 ID:GtkdVVSMP
   水飲み場前 空き地

澪「場所はここ。とにかく、火の始末には気を付けてくれよ」

唯「了解です、隊長」 びしっ

澪「隊長っ♪」 びしっ

澪「誰が隊長だ。まずは地面に穴を掘って、そこにサツマイモを入れるんだ」

唯「結構手順があるんだね」

紬「琴吹、穴を掘らせて頂きます」

澪「琴吹隊員、無理はするなよ」

律「乗ってきたな、おい」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:14:26.52 ID:GtkdVVSMP
紬「このくらいで良いかしら」

澪「大丈夫だろ。次はサツマイモを新聞紙で包んで、水を掛ける」

梓「そのまま入れないんですか」

澪「それだと、生焼けになるらしい」

唯「・・・ほら、皆既日食だって。この間だと思ってたのに、もうずっと前の事なんだね」

律「古い新聞読むのって楽しいよな」

澪「良いから、仕事しろよ」

唯「まあまあ。ほら、ビートルズ来日だって」

紬「ドリフが前座をしたっていう?」

澪「へぇ」

律「結局自分も読むのかよ。でもって、いつの新聞なんだよ」




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:15:19.22 ID:GtkdVVSMP
澪「穴にサツマイモを埋めて、落ち葉を掛けて。……後は火を付けるだけだ」

紬「私っ、私やりますっ」 びしっ

澪「危ないから、気を付けろよ」

紬「了解です、隊長」 びしっ

梓「ムギ隊員・・・。ムギ先輩、髪が掛かると危ないですから、後ろで束ねますね」

紬「ありがとう、梓ちゃん♪」

澪「梓も長いだろ。私が後ろで束ねてやるよ」

梓「あ、ありがとうございます」

唯「澪ちゃんも長いじゃない。私が後ろで束ねるよ」

澪「ああ、ありがとう」

律「何なんだ、この光景は」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:16:22.03 ID:GtkdVVSMP
唯「りっちゃん、りっちゃん」

律「しゃーないな。唯の髪はって、掴み所がないじゃん」

唯「たはは」

澪「なんだよ、それ」

梓「もう、二人とも何やってるんですか」

律「いやいや、お前らに言われても」

紬「うふふ♪・・・では、火を点けまーす」  カチカチッ




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:17:14.30 ID:GtkdVVSMP
ぼーっ。

唯「おお、すぐ点いたね」

澪「新聞も混ぜたからな。後は見てれば良いだけだ」

紬「暖かいわねー」

律「たき火って、妙に和むよな」

梓「はいです」
 
ぼー。




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:18:08.28 ID:GtkdVVSMP
唯「ずっとこうしてたいね」

澪「そうは言ってもな」

唯「たはは、そか」

澪「今は綺麗で暖かくても、燃やせば消える。そういう事だ」

紬「そう思って見てると、ちょっと切ないわね」

唯「でも私達は、ずっと一緒だよ」

紬「唯ちゃん」

律「この野郎。きれいにまとめやがって」 がしっ

唯「りっちゃん、痛ーい♪」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:18:59.98 ID:GtkdVVSMP
梓「・・・消えてきましたよ」

澪「この後は熾火。消し炭になった灰の熱でゆっくり焼くんだ」

梓「華やかな時は一瞬ですね」

律「梓もおセンチになってるな」

梓「べ、別にそういう訳じゃ。ただあれだけ枯れ葉があったから、もう少し燃えてるかと思って」

唯「人生とは、とかく儚い物なのだよ。祇園精舎はインドのお寺なんだよ」

紬「うわー、思わずアンコールワットと勘違い♪」

紬「1ミリたりとも、意味が分からん」




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:20:00.00 ID:GtkdVVSMP
唯「焼き芋、焼けたかな」 ごそごそ

律「一気に即物的だな、おい」

唯「・・・まだ固いね」

澪「じっくりゆっくり、時間を掛けて焼くんだよ」

唯「まだかな、まだかな♪」

律「子供か、お前は」

紬「でもこうして待ってる時間も、また楽しいわよね」

唯「まなかな、まなかな♪」

梓(何故、双子)




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:20:52.96 ID:GtkdVVSMP
澪「・・・そろそろいいんじゃないか」

唯「隊長。私がやってもよろしいでしょうか」

澪「よし、気を付けて作業に当たれ」

律「ノリノリだな。というか、結構灰が舞うな」

紬「唯ちゃん、まだ熱いから気を付けてね」

唯「可愛いお芋ちゃんのためなら、私は平気だよ」

梓「その可愛いお芋ちゃんを、今から食べる訳ですか」

律「・・・まあ、その辺は突っ込むな」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:21:48.80 ID:GtkdVVSMP
唯「出てきたよ。あったか、ほかほか。お芋ちゃんが出てきたよ」 ごろごろん

律「おー、何か良い感じ」

唯「中まで焼けてるかな。・・・あちあち」 

律「何やってるんだよ。・・・あちあちっ

梓「冬のニュースで、こんなお猿さんを見ますよね」

紬「・・・あちあち」

梓(わざとやってるし。しかも、可愛いし)




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:22:42.94 ID:GtkdVVSMP
澪「後は新聞紙に包んで食べるだけだ」

唯「へへ」 ごそごそ

梓「食べないんですか?」

唯「これは家に持って帰って、憂と一緒に食べるんだー♪」

紬「唯ちゃんは、本当に憂ちゃんの事大切に思ってるのね」

唯「だって妹だもん♪」 にこっ

澪「だってさ」

律「なんだよ、もう。はいはい、私も聡に持って帰るよ」

澪「私も、ママ・・・。お母さんに持って帰ろうかな」

梓(思い切り自爆したな)




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:23:56.69 ID:GtkdVVSMP
律「じゃ、食べるぞ。頂きまーす」 ぱんっ

唯、澪、紬、梓「頂きまーす」 ぱんっ

澪「・・・わ」 ぱかっ

律「旨そうだなー」 ほかほか

紬「では早速」 ぱくり

梓「あふっ」 はむはむ

唯「・・・んまいっ♪」 にこっ




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:26:02.27 ID:GtkdVVSMP
唯「あったか、ほかほか。甘くてしっとりしてて、美味しいね-」

律「案外あなどれんな、サツマイモの奴も」

澪「・・・でも太らないか、これ」

紬「ほ、ほら。甘い物は別腹って言うじゃない」

梓「もう一段階、お腹が出てくるって事なんですかね・・・」

唯「私は食べても食べても太らないけどね」 にこっ

梓(憎い、今はその笑顔が憎い)




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:27:03.75 ID:GtkdVVSMP
さわ子「みんな、やってるわね」

唯「あ、さわちゃん。どうして学校にいるの?」

さわ子「今日は当直なのよ。大人になれば、土曜も日曜も関係無くなるのよ」

紬「まあまあ。ほら、さわ子先生も食べて下さい」

さわ子「良い感じに出来たみたいね。・・・んー、何か懐かしい味がするわ」

律「疎開先で食べた味ってか?だははー」

さわ子「玉砕覚悟とは良い度胸だな、デコッパチ」




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:28:12.76 ID:GtkdVVSMP
律「あー、ひどい目に遭った」

澪「自業自得だ。・・・あれ、和?

和「生徒会の用があって、来てたのよ。結局本当にやったのね、たき火」

唯「あったかほくほくで美味しいよ。はい、和ちゃん」

和「ありがとう。・・・ん、本当に美味しいわ」

唯「秋って味だよね-」

和「唯らしい感想ね」 くすっ

唯「そかな、たはは」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:29:20.49 ID:GtkdVVSMP
律「後片付けは良いかー」

澪「灰には水を掛けて、道具は返して。ゴミも捨てた。後は帰るだけだ」

紬「楽しかったわねー」

梓「それに、美味しかったです」

律「ま、焼き芋大会は大成功って事か。唯、良かったな」

唯「まだ終わってないよ」

律「へ?」




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:30:37.31 ID:GtkdVVSMP
   学外、急な坂

律「どこまで行くんだよ」

紬「・・・こっちって、もしかして」

唯「もうすぐだよ」

梓「坂、きついですね」

澪「なるほど、な」

梓「何がですか?」

澪「うふふ♪」

梓(何故、ムギ先輩風)




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:31:39.83 ID:GtkdVVSMP
   街外れの林

律「おお、ここはまさにエルドラドッ」

澪「真似るなよ。・・・、落ち葉を集めた林か」

唯「そだよ。やっぱり、ここにはお世話になったからね。ちゃんとお礼を言わないと」

紬「うふふ♪ありがとうございまーす」

律「礼儀正しいな、おい」

梓「大体、そういう意味だったんですか?」

唯「もう、あずにゃんはクールなんだから。でもそこが、いいところ♪」 きゅっ

梓「ちょ、ちょっと。こんな所で抱きついたら」 ふら

唯「え?」 ふらふら-、ぱたんっ




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:32:45.50 ID:GtkdVVSMP
澪「お、おい。大丈夫か」

唯「たはは、倒れちゃった」

紬「下か落ち葉だったから良かったのね」 ほっ

唯「本当、落ち葉様々だね」

律「その落ち葉を燃やしたんだろ、おい」

梓「そうですよ。もう、唯先輩は」

唯「ごめん、ごめん。でもこうしてると、ちょっと気分良いね」 ごろーん

梓「まあ、否定はしませんけど」 ごろにゃーん




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:33:51.64 ID:GtkdVVSMP
紬「・・・あの、私もお邪魔して良いかしら」 うずうず

唯「勿論、大歓迎だよ」

梓「どうぞ、ムギ先輩」

紬「ありがとう。・・・えいっ」 ぱふっ

唯「わっ」

梓「きゃっ」

紬「わー、すごい面白いわね-」

唯「ムギちゃんはチャレンジャーだね」

梓「自分から飛び込むなんて、大胆すぎます」

紬「琴吹、一所懸命頑張りました」 びしっ




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:35:02.93 ID:GtkdVVSMP
律「楽しそうだな、おい」

澪「まあ、そうなのかな」

律「・・・分かる、澪の気持ちは分かるよ」

澪「何が」

律「私も一緒に寝転びたい。でもそんなのはしたないし、キャラじゃないし。ちょっと怖いし。
  あーん。私の乙女心は、いつでも可憐でフルフルフルーチェなの♪」

澪「意味分かんないし、最後関係無いし」

律「良いから、ほれ」 ぐいっ

澪「おわっ」 ふらー、ぱたんっ




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:36:04.19 ID:GtkdVVSMP
澪「りーつー。おーまーえーなーっ」

紬「まあまあ。澪ちゃん軽いから、私は平気よ」

澪「あ」

唯「思いっきり、ムギちゃんの上に倒れたね」

律「ぷっ」

澪「ご、ごめん。で、お前が笑うな」 ぐりぐり

律「ひぇーっ」

梓「もう、皆さん何してるんですか」 

唯「だって、秋だからね」 

梓「全然答えになってませんよ」 くすっ




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:37:34.55 ID:GtkdVVSMP
唯「天気は良いし、空は青いし。落ち葉は柔らかいし。言う事無いね」 きゅっ

梓「はいです」 きゅっ

紬「またこうして、一緒に遊びたいわね」 きゅっ

澪「いつだって遊べるさ。だって私達は」 きゅっ

律「私達は固い絆で結ばれた、心と心の繋がり合う。・・・えーと、なんだっけ」 きゅっ

澪「上手くまとめようとして、自爆したな」 きゅーっ

律「ちぇー」 きゅーっ

唯、澪、紬、梓「あはは」




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:38:45.55 ID:GtkdVVSMP
   夜、平沢家リビング

唯「・・・という訳で、今夜のデザートは焼き芋です」

憂「ありがとう、お姉ちゃん♪」

唯「チンしたばかりだから、温かいよ。・・・あちあち」

憂「お姉ちゃん、大丈夫?」

唯「平気、平気。・・・はい、憂の分」 ぱかっ




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:39:45.75 ID:GtkdVVSMP
憂「ありがとう。・・・わー、美味しいね」 はむはむ

唯「本当。こんなに美味しいなら、毎日でも食べたいね」 はむはむ

憂「それは絶対に飽きるよー」

唯「そかそか。たはは」

憂「もう、お姉ちゃんったら♪」




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:40:46.11 ID:GtkdVVSMP
 ぴゅー

唯「外は寒そうだね」

憂「もう、すっかり秋だよ。そろそろ、こたつの準備をした方が良いのかな」

唯「良いねー。おこたは人類が生み出した、史上最大の発明品だよ」

憂「お姉ちゃん、こたつ好きだもんね」

唯「寒い時は、温かくしないとね。・・・憂、手は冷たくない?」 きゅっ

憂「大丈夫だよ。お姉ちゃんの手は、温かいね」 きゅっ




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:42:18.68 ID:GtkdVVSMP
唯「えへへ。あったか、あったか♪」

憂「あったか、あったか♪」

唯「今日は、一緒にお風呂へ入ろうか」

憂「うん」

唯「ういー♪」

憂「お姉ちゃん♪」

唯、憂「あったか、あったか♪」



                                       終わり




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:43:22.50 ID:GtkdVVSMP
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

テーマとしては律澪を匂わせつつの、「秋」。
ちなみに寝転んでいる並び順は

 唯 梓 ムギ 澪 律

となってます。

また唯の性格ですが、「普段はふにゃふにゃしてるけど、芯はしっかりしてる子」という位置づけ。
ご指摘があったように「あほの子」扱いされている事が多いため、その辺を払拭する意味も込めて書いています。

最後に。
本作とは全く関係無いですが、ふと思い付いたネタを一つだけ。




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:44:24.02 ID:GtkdVVSMP
   平沢家 リビング

唯「うぃーっ」 

憂「お姉ちゃん、呼んだ?」

唯「あ。ごめん、ごめん。ちょっと、ハンセンの真似してて」

憂「もう、お姉ちゃんったら」

唯「はっ、はっ、はっ」

憂「わー、ブロディ降臨だね」

唯「やっぱり超獣コンビは最強だよ。憂♪」

憂「お姉ちゃん♪」


                            終わり




66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:53:15.64 ID:Fz/hkE7XO
オチなしヤマなし
だけどそれがけいおんっぽいしけいおんだと思う
良かったよ乙




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 16:59:58.95 ID:MCkL9Rr9O
よくやった!よくやったよ!




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/10(日) 17:04:22.05 ID:uxhi6UWtO

良かったよ









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[ 2010/10/28 00:12 ] けいおん | TB(0) | CM(4) はてなブックマークに追加
それにしても、この澪ノリノリである。
なんか珍しい澪だけど、アニメで3年の澪ならありそう。
ホント、意味もオチも無く盛り上がりにも欠けるSSだけど
それでこそのけいおん!というのが味わえて楽しいSSでした。
ただ、所々台詞の名前が間違っているのか否か?
判別し辛いのが気になりました。
[ 編集 ]
全員唯には甘々
と、いう素晴らしい内容だったと思います
[ 編集 ]
個人的にスゴク良かった

マラソン大会の回と差し替えて欲しいわw
[ 編集 ]
コレは本編でもぜひやって欲しい
てくらい、いいな!
[ 編集 ]









 

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